カメラマンにとって厳しい内容ですが、結論から述べるとデジタルカメラは不要です。

誰でもがスマートフォンを所持しています。私は「iPhone12Pro」を愛用しているのですが、カメラ画質はとても綺麗です。

最近のスマホカメラは性能がとても向上しており、望遠、広角、標準レンズの画角の異なる3つのレンズを搭載しているものや、背景をボカして撮れるポートレートモード、写真を判別して自動的に最適な調整をしてくれるAI機能が付いたものなど、進化が素晴らしいですね。もはや、一眼レフ級です。

各メーカーから高性能のカメラ機能が付いたスマホが発売されており、若者のカメラ離れに拍車がかかっています。

「スマホカメラがあれば一眼いらない説」は本当になってしまいました。

デジタルカメラは機動性に欠ける

私が思う一番の理由はこれです。なんといってもスマホカメラは小さい。

何かを撮りたい時、気軽に手元に出せて起動も速い。

常に携帯しているものなので、ふとした瞬間にすぐ取り出して写真撮影を行うことができるのはストレスフリーです。

また、写真を撮るとSNSにあげたくなりますが、画像データを移動することがなく、即時にアップできるのはとても快適です。

最近のデジタルカメラ機種ではBluetoothやWi-Fi通信を搭載しており、PCを使わずともスマートフォンに転送することができますが、それでも手間が生じてしまいます。

複眼レンズ搭載でメリットたくさん

タピオカレンズと呼ばれ、広角・望遠・標準を自動的に切り替えて使うことができます。複眼レンズですね。

今までのスマホカメラのズーム機能は「デジタルズーム」を採用しています。

デジタルズームでは、遠くの風景をそのまま引き延ばすようなもので、画質が粗くなったりノイズが入ったりと難点がありました。

しかし、複眼レンズを搭載したスマホでは、焦点距離の調節でズームを行う「光学式ズーム」なので、画質の劣化がほとんどなく拡大できます。

また、夜間等の薄暗い場所の撮影に強いのも特徴です。

複数のレンズで光を取り込むため、シングルレンズで撮影するよりノイズ発生が抑えられます。

それだけでなく、薄暗い場所でも黒つぶれすることも少なくなり、より狙った通りの写真が撮影できます。

一眼レフでは様々なレンズがあり、より多くを楽しむことができますが、レンズ交換が手間であったり、レンズ自体が高価であったりと手を出しにくいです。

「ボケ」はスマホでも撮影可能

一眼レフカメラの魅力はピンボケですよね。

最近のスマホでは、ポートレートモード等で簡単にボケを作ることができます。

ピントを自動で設定され、デジタル処理で背景がちゃんとボケてくれるんです。もちろん、手動設定も可能です。

一眼レフカメラではよく利用する撮影方法であり、今までのスマホでは、後から画像編集で調整するしか実現できませんでした。

最近のスマホカメラでは、複数レンズでそれぞれ撮影した画像を合成して加工してくれるので、特別な知識・技術不要で再現できます。

また、撮影後にボケ具合やピントを調整することもできるように工夫されています。

一眼レフでは自然なボケを撮ることができますが、スマホの機能でも十分です。

こちらはスマホカメラで撮った写真です。
「あれ、これ一眼レフカメラいらないんじゃね…」 【完】

カメラ業界の現在

カメラ業界の売り上げが年々下がってきています。

下記の表をご覧ください。

国内・海外へのデジタルカメラの総出荷実績は、2012年は1兆4000億円以上に対し、昨年の2020年は約4200億円と落ち込んでいます。市場縮小が目に見えてわかりますね。

私の愛機Nikonは年内に国内生産を終了するとのことです。そういうことです。

そんな中でミラーレスカメラは徐々に売り上げが伸びてきています。世の中は小さいカメラを求めていることが読み取れますね。

おわりに

カメラはスマホに奪われてしまい、役割を無くしてしまっていることがわかったかと思います。

カメラの概念が変わってしまうほどの革命だと私は思っています。

もちろん、デジタルカメラにしか活かせないメリットもたくさんあります。

下記に当てはまる人はデジタルカメラが必要です。

デジタルカメラが必要な人
・カメラ男子・カメラ女子になりたい人
・収差を含めた厳密な画質を追い求める人
・望遠〜超望遠、暗所、高速で動く被写体、逆光などの厳しい環境で撮りたい人
・自然な(かつ強烈な)背景ボケを実現したい人
・大サイズ(少なくとも六切以上)でプリントしたい人

もちろんプロの方がスマホをお仕事で使うのは無理です。性能的にはデジタルカメラに敵うはずはありません。

一般的なアマチュアの日常使いでは、スマホカメラで十分である。と結論付けました。