新型コロナウイルス感染症から心をまもる

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延を受け、様々な行事や計画が中止・延期となっています。行動が制限されるとともに日々対応に追われている方も多いでしょう。

これまでの生活から一変し、さらに事態も流動的で、収束の兆しは見えてきません。2週間後に世の中がどうなっているのか、学校や勤務、お店の状況等、先行きの見えない中での生活を強いられています。

その上、自宅等に隔離され、気分転換の場がないと感じる方も多いでしょう。こういった状況の中で、心には大きな負担がかかっていることが考えられます。不安やストレスへのさまざまな心身の反応が表れることが想定されます。

ここでは、今みなさんが知っておくと参考になると思われる心の健康の維持に関する情報を共有させていただきたいと思います。

一般的な心の反応

●感染症の流行というストレス状況の中で、私たちが当たり前に体験する心の反応として、次のようなものがあります。

  • 病気や死の恐怖
  • 感染を恐れて病院等に行くことの回避
  • 仕事を失う恐怖
  • ちょっとしたこと(体調不良・感染地域からきた等)から、感染者と疑われて社会的に除外されたり隔離されたりする恐怖。
  • 自分が感染するのではないか、あるいは他人に感染させてしまうという不安
  • 別の体調不良による症状も新型コロナウイルス感染症を疑ってしまい、恐怖を感じる可能性
  • 外出の必要があるなかで感染してしまう・させてしまう恐れ
  • 大切な人を失う恐れ

●上記のような不安や恐怖、様々な懸念といったストレスによって、家族や地域社会、色々な関係性にも長期的な影響が残ることもあります。

  • 社会のネットワークや経済活動が損なわれたり、悪化してしまう。
  • 生存者に対する偏見によりコミュニティの拒絶が生じる
  • 国や自治体、あるいは最前線で働く人に感情や怒りがぶつけられる
  • 家族やパートナーに対する暴力の増加
  • 国や自治体等の発する情報に対する不信感

新型コロナウイルスに関連して、感染した家族や医療関係者やその他の最前線で働く人々に偏見や差別が向かう恐れもあります。

こうした恐怖や心理的反応は、現実にある危険から生じることもありますが、多くの心理的反応や行動は知識の欠如や流言、誤報によって生じます。

正しい情報を得ながら、自分の中の不安や恐怖を受け止めコントロールすることが、自分の心を守り、周囲の人を守ることに繋がると考えられます。